越前和紙・伝統の「水玉」。魅力を国内外へ! 試作品、無料で提供します。~みんなでつくるプロジェクト~
投稿者 :TakanoriYamauchi on
◆自然が織りなす美を追求。先人の技。
朱の中に点々と浮かぶ、白い玉のような模様。
「水玉」と呼ばれ、福井県の無形文化財にも指定されている越前和紙古来の紙漉き模様の一つです。
次の写真は作業中の風景。
漉き舟の中で地紙を漉いた後、染料を流し込みます。
その上に水滴を放つと・・・。
落ちた勢いで、表面に幾つもの円形の空間。
漉き舟から取り出し、慎重に表面のシート「簀(す)」をめくると・・・。
その名の通り、水玉のような模様が和紙全体に、あでやかに浮かび上がります。
まさに、水と重力が導く自然の力を、巧みに引き出した装飾技法。
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その魅力を国内外の多くの人に知っていただきたい。
そして、より身近に使っていただきたい。
そんな想いをもとに、岬クリエイターズでは、技を継承する岩野平三郎製紙所=福井県越前市大滝町=と連携。
社長の岩野麻貴子さんとともに、これまで10カ月余りにわたって、新しい商品づくりの可能性を模索してきました。
目指すのは、現代空間を彩る素材として、多くの皆さまに楽しく使っていただける品です。
その一歩として挑戦したのが、岩野さんがこれまで作ったことのなかった水玉の新しいカラーリング。
創作のモチーフとしたのは越前岬の自然や風土です。
海の青であったり、夕映えであったり、草原であったり…。
岩野さんが日ごろ制作している和紙は、ほとんどが無地だといいます。
それだけに、色表現という未知の領域へのチャレンジに、わくわくして臨んでいただきました。
次の写真は、海のブルーを表現した場面。
ブルーのみずみずしさが、たまらなく美しいです。
◆まず5色が完成。
岩野さんは感性のおもむくまま、順次、漉いては乾燥させ、試作品を仕上げてくれました。
最終的に出来上がってきたのが、次の5色です。
カラー: ◆藍(あい)色
◆弁柄(べんがら)色
◆パステル オレンジ
◆パステル グリーン
◆パステル イエロー
日本の伝統色をもとに、パステルも交えて表現した試作の5色です。
いずれも素材は、コウゾとパルプそれぞれ50%。
その他使っているのは、水とトロロアオイ(ねり材)のみという、エコな製品です。
白い地紙との2層構造となっているため、裏を向けると、和紙の繊維越しに表面の色が透けて見えます。
◆海の光にとけ込む。
6月に入った週末の午後、岩野さんは社員さんとともに、岬クリエイターズがある海の上の高台を訪れました。
そして、完成した試作品を広げてみました。
海の奥に傾く太陽の光を浴び、浮かび上がる表面のブルーやオレンジ。
それはまるで、ぷくぷく泡を立てる海の中であったり、朱色に染まった夕映えの海のような…。
岩野さんや手伝った社員さんの表情に、自然と、笑みが浮かびました。
光の透過による美しさもまた、和紙の魅力です。
背景の海のきらめきと絶妙のマッチングです。
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もう一つの試みとして、岬クリエイターズの花壇に咲く黄色いバラにかざしてみました。すると、次のような彩りが・・・。
◆商品化のアイデアをいただける方に 無料で提供。
この試作品をもとに今後、どのように、現代空間を彩る商品へと磨き上げていけばいいのか。
岩野さんや、連携するデザインディレクター、経済の専門家を交えて模索してきました。
その結果、この先は、SNSやオンラインショップを通してつながっている国内外の皆さまと、一緒に模索し具体化していく。そんな企画へと高めていけたらー。そう考えるようになりました。
そこで6月18日から、当ショップ商品欄に試作品一式をアップ。商品化のアイデアを寄せていただける方に無料で提供し始めました。
海外の皆さまには申し訳ございませんが、送料のみ一律3,000円をご負担願います。
試作品のサイズや点数は次の通りです。
サイズ:・約190㎝×約30㎝=各色2点
・約190㎝×約90㎝=各色1点
いずれも着物の反物風に丸めて発送します。
折ってもよし、切ってもよし、絵や文字を書いてもよし。自由にお使いいただきながら、商品プランを出していただけると幸いです。
「和紙に決まった使い方はない。使い手の皆さまの想いとともに、製品として無限の可能性が広がっている。それが和紙の魅力」と岩野さん。
たとえば、下の写真は、古民家食堂を予定している梨子ケ平の明るい木調のテーブルに配した様子。
これを一例として、ご自身の生活空間や店舗、オフィスなどで実際に使いながら、メールを通して素敵なアイデアを募集しています。
新しい色展開の案もウェルカムです。
みんなで一緒に、クールに伝統の模様を発信していきましょう!
メールでお気軽にお問い合わせください。
連係する岩野平三郎製紙所の歴史や製法の魅力は、次回のブログでさらに詳しくお伝えさせていただきます。
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- タグ: 新企画