【2回シリーズ・下】若狭の工房に眠る「めのう細工」の原石。新しい商品化へ、未来につなぐ連携始動
投稿者 :TakanoriYamauchi on
◆何気ない原石、光にかざすと… 感動を体感できる商品を届けたい。
上の写真は、めのう細工の原石の下からストロボを照射してカメラマンが撮影。光を透過して輝く原石の表情を捉えたものです。
「まさに神秘の光」―。若狭めのう細工職人・上西宗一郎さんの工房で原石の輝きを目にした際、新鮮な感動を覚えました。
小浜市西部。古い小屋を改装した上西さんの工房の一角に、ごろごろと山積みとなっている石があります。
市内の工房跡で使われないまま眠っていためのうの原石や、制作過程で出た端材の数々。「これらは貴重な財産。何らか新しい可能性のために役立てられないか」と上西さん。自身の工房に譲り受け、大切に保管しているのです。
この想いを大切にはぐくみながら商品化へつなげる。編集部では、それこそが未来を拓く一歩だと考えました。
そこで連携の第一弾としてまず、眠っていた財産に命を吹き込むことによる商品化を上西さんと進めることになりました。
保管されている端材は多くが長さ3~5㌢の小さなもの。サイズ感に加え、同じ若狭にある塗箸とのつながりも視野に入れた結果、まず箸置きにトライしてみることになったものです。
制作に当たって、こだわったポイントが一つあります。それは、端材そのままの姿。底面こそ、安定性を最優先に、水平に削るものの、それ以外の形状は極力、元の姿に届めるよう磨きを入れる。これにこだわったのは、一見武骨で平凡な石なのに、光にかざした瞬間、宝石のように変化するギャップのような驚きと感動を体感していただきたいとの思いがあります。
体験価値を優先した商品づくりです。
このプランを提案したところ、上西さんは意気に感じてくれました。
端材一つ一つの特性を見極めながら、2カ月ほどかけて制作。完成したのは12個です。
プロジェクトにちなんで「MIRAI」と命名。プレ創刊3号に合わせてペア6セット限定で販売を開始しています。
このプロジェクトのスタートを記念して、木の肌触りなど素材感を引き立てた若狭塗箸とのセットも商品欄にアップしています。
「MIRAI」はVer.1を出発点に2、3…と原石を活用した商品プランを企画開発していく計画です。
皆さまの意見をいただきながら、未来へ少しずつ進化させていただけると幸いです。
※商品の詳細は商品欄(コレクション欄)をご覧願います
※写真は髙橋良典撮影
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